そんなはなちゃんも、
我が家での生活に慣れるのには、少し時間がかかった。
わんちゃん用缶フードをやわらかくつぶしてあげると、
笑ってしまうほどに死に物狂いで食べるけれど、
私たちが仕事から帰ってくると、一人でさみしかったのか、
全て吐いてしまっていることがしばらくは続いた。
家中を探しまわったのか、あちらこちら動き回った形跡もあった。
トイレは、前の飼い主さんのしつけ方だったのか、外でしかできないようで、
おしっこシートのくせはついてなかった。
とはいえ、自力で外まで歩いて出る事はできないはなちゃん。
頻繁にだっこして外に連れ出し、庭のしばふの上でトイレをさせるというサイクル。
もちろん仕事のあいだじゅう、がまんできるわけもなく、
家に帰ると、とりあえず家のあちらこちらを見て回って大掃除。
はじめは、この「はなちゃんペース」の生活に慣れず、私たちも苦戦した。
外でのトイレの度に、周りに生えてる芝生を食べまくっている様子を見てると、
山でこうやって野草を食べて暮らしてたのかなあ。。。と思わずにはいられなかった。
よく生きてたよね、はな。
しばらくは、1日に4回は芝生を食べる生活だったけれど、
だんだんとペットフードの生活に慣れていき、
日中、私たちがいないことにも慣れてきたようで吐く回数も減っていった。
同時に、私たち自身も、生活がはなちゃんを中心に流れてゆく事に慣れていった。
私たちがごはんを食べはじめると、いつも大のご機嫌顔で、
しっぽをブンブン振って、何かもらえるのを待っている。
もう、はなちゃんがそこにいるのが当たり前になっていた。
毎日の大変な作業の繰り返しに、頭を悩ませることも自然と少なくなっていった。
よく食べ、よく眠り、トイレもしっかりする。
足が不自由で、目もしっかりとは見えていない身体を最大限に使い、
毎日を精一杯に生き抜くはなの姿をそばで見ながら、
実は、私の方が勇気をもらっていた。
あなたの姿からたくさんの力をもらったよ。
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by sageholy
| 2010-09-08 13:00
| ありがとう•はな•