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出会い <2007年10月末>


2007年の春、一ヶ月半のアメリカ横断ドライブの旅からロサンゼルスへ戻り、
9月には、マウントシャスタ〜ハワイに渡るこれまたエネルギッシュな旅を終え、
私たちは、手探りながら次のライフへの移行の時期を生きていました。

10月、ハロウィーンを目前にした、秋の日の夜、
ちょうどオリオン座流星群がやってきている流れ星のきれいな時期でした。
仲良し友達からの突然の電話。
「流星群を見に、山にでかけたら、
年老いたわんちゃんが一匹よたよたと現れて、レスキューした」 とのこと。
彼らの家には、すでに猫が2匹いて、
もう一匹わんちゃんとなるときびしい状況で。
「せいじさん達しかいないと思って!!」 ということで、
行き場のないわんちゃんを連れて、
とりあえず、我が家へやって来る事に。

そのときの私たちは大忙しの共働きで、家に誰もいないことと、
実は、「将来ペットを飼う日が来るなら、ヨーキーかプードルがいいな〜」 
なんてことをへらへら話してたところだったので、
正直、「どうしようかね。。。」  と、沈黙。





今でも鮮明に思い出せる、はなとの出会い。
ピンク色の枕に乗せられて、友達の腕に包まれて、
車からとっても大切そうに運ばれてきた、あのときの映像。
小さな身体に、大きな目が印象的だった。
「はじめまして」
はじめて会ったとは思えなかったな。
落ち着いた表情で、ソファにちょこんと座っていました。
後ろ足が悪いようで、前足の力を使ってほんとうによたよたとしか歩けない状態。

レスキューした時は、脱水症状のような感じで、ぐったりしていたので、
持っていたファーストフードのチキンと水を飲ませると、
気が狂ったようにすごいスピードで食べたとのこと。
その場所は、星がきれいに見える深い山奥で、
人や車が通れる場所では決してないことから、
足の悪いこの子が脱走してきた可能性はきわめて低いこと。
人間が故意に置き去りにしてこない限り、
この子の状態であの山奥に行くのは不可能だということ。
念のため、一番近くにあったリカーストアに、情報は残して来たということ。
一度家へ連れて帰り、シャンプーをして、病院へ検診に連れていったところ、
去勢の手術あとがあって、その手術のやり方を見るところでは、
おそらく15年くらい前のものであると、ドクターが判断したということ。
15年前に、この手の手術をきちんと済ませてあることからみると、
人間に大切に飼われていたことは確かだということ。。。

話を聞いているうちに、
この子がなんでこんな状況に合わなければいけなかったのか、
山奥で一人でさまよって、つらかっただろうな、、、と、
なんとも言えない気持ちになった。

犬のお世話ができるほど、私たちも落ち着いた状況では暮らしていなかったし、
家に誰もいない時間帯が長いからかわいそうなんじゃないか、、とも考えたけれど、
そうこうしている間に、わんちゃんは、
そんな私たちの会話を横目に、
ソファの上で、気持ち良さそうに寝てしまった。
疲れもあったのか、ほんとうにぐっすりと寝ているので、
とりあえず今晩このまま置いて帰ってもらうことにして、
また明日連絡を取り合おうということに。

友達を見送り、リビングに戻り、数秒後、
深い眠りに落ちているわんちゃんを眺めながら、
「やっぱり、うちでかってあげようか。行き場がなくてかわいそうだよ。」
と、せいじ。
「うん、そうしよ」  
 と、わたし。

すぐに友達にコールバックし、そのことを伝えた。

友達は大喜びで、
「寒さに震えながら山の中をひとりでさまよってたことを思うと、
 あったかいおうちで安心して眠れるなら、それだけで幸せだよ」  と。
その言葉が全てだった。
私たちのできる最大限でいいから、この子を守ってあげよう。
先は長くはないかもしれないけれど、
この命のラストステージをうちであったかく過ごしてもらおう。
そう心に決めた瞬間でした。

そんなこんなで、いきなり我が家のメンバーが増えた、秋の日の夜。
これが、3年間の物語のはじまりでした。





# by sageholy | 2010-09-08 15:00 | ありがとう•はな•
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旅と暮らしをきままに綴る


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